Desert Daze 2016
text by Nakamura/Yokujitsu
Donuts P(Yokujitsuキーボード&タンバリン)からAustin Psyche fest(現Levitation)へ行った時のことをまとめたジンをもらったのは2019年くらい?
その時お金を払うと言ったけどナカムラくんもDesert Dazeに行った時のジンを書いてくれたらそれでいいよと言ってもらえたのだけど、まだ手をつけておらず…ごめんぴ。
時は流れて2022年11月現在、in the middleのミヤザキさんより文章寄与の依頼が来たため、Donut Pとの約束を果たしつつ、一石二鳥を狙い…Desert Daze 2016に行った時のことを書きます。それでははじまりはじまり。
☆☆☆☆☆
家でダラダラとInstagramをスクロールしていたところ、私が最も好きな3バンドであるThe Black Angels,Brian Jonestown Massacre,Dead Meadowが一気に出るイベントを見つける。そりゃ行くしかないっしょとノリで決めました。初渡米。どうなってしまうのか。ちなみにもう5年以上前なので、記憶がかなり曖昧なのはご了承ください。
☆初日(到着)
ロサンゼルス空港着地。バスでダウンタウンに向かう。バスの運転手は日本のように決められた制服や帽子は無いようで、ダボついた服に野球帽とネックレスをつけた黒人男性だった。アメリカに来た感。ターミナルに着いたときは夜だった気がする。
夜のダウンタウンは多少怖さもあったけど現地民面して颯爽とホテルを目指す。コンビニみたいなところに寄り食べ物と飲み物を買う。日本でもそうなのだけど、謎な食べ物とかすぐ買っちゃう性があり、その夜も謎の飲み物を購入。ホテルについて飲んでみると桃の天然水的な水にちょっと味がついた飲み物のきゅうりバージョン。きゅうり!水に薄味つけるのはわかるけどきゅうりはまじで予想外過ぎて3口で残しました。西海岸恐るべし。
☆2日目(移動)
ここの記憶は曖昧。カリフォルニアは日本の運転免許で車に乗れるので、レンタカーを借りて州の内陸、パームスプリングを目指す。初めてのアメリカのハイウェイ、初めての左ハンドルということで色々とテンパる。まずレンタカーを借り店を出てさあ右に曲がるぞと思ってウインカーを出したらワイパーが動く。左ハンドルはウインカーとワイパーの位置も逆なのだという学びを得る。
昼頃に出て目的地は3時間ちょっとのはずなのだけど、目的地のホテル?ロッジ?みたいなところに到着した頃には結構夜遅くだった気がする。ここに何があったかがすっぽり抜けている。夕食くらいの時間にファミレスに入り注文したけど全く料理が来ず勝手に出て行ったことだけは覚えている。
☆3日目(Desert Daze 1日目)
この日の目的はFartbarf、The Sonics、Beach Fossils。最初に見たのはSloppy Jane。ボーカルの女性が全裸で歌っていてびっくり。
次は目当てのFartbarfを見る。ゴリラ男みたいな被り物を被っており、生ドラム、ギター、シンセの3人組。音源で聴くとテクノやニューウェーブなのだけど、生ドラムという事もありライブだとバンド感があって良かった。機材にBlack Flagのステッカーなど貼っており気に入るのも納得。日本での知名度はほぼ無いと思うのですがニューウェーブ好きは聴いてみてほしいです。00年代のアーケードゲームっぽさもある。
Death Vally Girlsを横目にTemplesをぼーっと観賞。イベントを通してお客さんで溢れる感じではなく、演奏のちょっと前に行けばゆるーく前の方も行けてとても快適でした。
そしてThe Sonics。レジェンドの演奏って良くない時もあるしどうなのかとか、特にThe Sonicsなんて古い音像も含めてカッコいいと思ってたけど現代に生で観るってどうなんだろうかなど、期待と不安を胸にちょい期待多めで待機。メンバー登場。ジャーンと鳴らした音は歪み多めでパワフル!まさかのピットがモッシュ&ダイブでめちゃウケました。NOFXかと思った。演奏どうのより楽しくなっちゃってるうちに終了。
そして目当てのBeach Fossils。とても楽しみにしており期待大だったのですが…演奏も見せ方も…うーん。でも今後も音源は聴きます。さっき久々にClash the Truthというアルバムを聴いたけどやっぱり最高だった。
Suunsも観たかったけどここで体力の限界がくる。今でこそ大好きなKing Gizzard and The Lizard Wizardはこの時あまり知らず、大人数で元気なバンドだなあと思いながらチョロっと見て退散。今考えると勿体無かった。
☆4日目(Desert Daze 2日目)
カリフォルニアも楽しむために朝からスラブシティとサルベーションマウンテンへ行きアートを感じる。可愛い犬がいた。あとマジで1kmくらいありそうな長過ぎる貨物列車が通ってて凄かった。長過ぎ。
この日はまずL.A Witchを観た。その後は楽しみにしていたCherry Glazerr。上手なベースとドラムにイケイケなキーボードとギタボが乗る。キャッチーだけどそれだけに振らず暗さも残るところがカッコいい。ギタボのClementine Creevyは最後にパンツ脱いでお尻出したりとなかなか破天荒だった。
この辺りで気がついたのは、多くのバンドがFenderのアンプを使ってる事。ラウドなバンドはMarshallを使ってたりするのだけど、殆どがFender系だった。Beach FossilsはJC120を使っていたけど、目にした限りでは日本で主流の”ジャズコ”は彼らだけが使っていたと思う。日本のライブハウスもFender系のアンプが増えてくれたら嬉しいなあ。
Thee Oh SeesとDrab Majestyが被ってたけどDrab Majestyへ。この辺りからThe Right Tentで機材トラブルが頻発。砂埃すごかったし…。Drab Majestyは雰囲気を出すタイプのアーティストなので機材トラブルは可哀想だったけど、キーンとハウリングした時に2人とも耳を塞いでいたのが可愛らしくて良かった。Instagramを見るとわかるけど彼らは意外とお茶目だったりする。何となく意図せずだけどそんな面も見れて良かった。
次はThe Black Angels。これを観にきたし、今書いてても鳥肌が立つ。このイベントは本当にゆるゆるで、陣取りなんかしなくても余裕で真ん前で観れてホント最高…。ソワソワしながら待っているとみんな出てくる。演奏が始まる。
音源よりBPMが遅く、ローが効きぶちくらう。彼らは上手くインディロックや大きなバンドのテイストも取り入れているけど、根本はドゥームやストーナーの血が流れている。インタビューではVUやPink Floydのバンド名を上げていたし間違いなくそうなのだろうけど、多くのドゥーム、ストーナーバンドがBlack Sabbath等をアップデートして出来たように、彼らもそれらのバンドをアップデートしようとした結果、ドゥームやストーナーのテイストが濃くなったのかと思った。間違いなく人生で最も最高な時間のひとつでした。ありがとうThe Black Angels!
Primesみんな演奏うめーなあとか思いながらざっくり観た後、Godspeed You! Black Emperorを観る。深夜0:15からのGY!BEなんてスピる以外の感情なし。宇宙の彼方へ。
この辺りで思ったのは、The Black Angelsもだけど時折楽器を持ちかえるメンバーがいる事。ギターからキーボードや、ベースなど色々な楽器に持ちかえるのをカッコいいなあと思いながら眺めていた。
カッコよかったけど限界がきて途中で宿へ。明日で最後。
☆5日目(Desert Daze 3日目)
LSD & the Search For Godを雑に観た後楽しみにしていたLa Luzを観る。サーフやガレージロックの影響も感じさせつつ、ゆったりと聴けるバンド。演奏もみんな上手だしとても良かった。
これはBlack Flagだなあとか思いながらMETZなど観ながらダラダラ過ごす。目当てのDead Meadowの前にAlan Vegaのトリビュートバンドを観たのだけど、学園祭バンドの出来合いライブみたいな感じでめちゃくちゃ酷くて、容赦ないブーイングも含め面白かった。
そしてDead Meadow。ざっくりいうとオールドロックをストーナー化させた3人組。最前管理。1曲目からGreensky Greenlake…オレンジアンプ。やたら手を上にあげるドラムの叩き方。最高。ただここは魔のThe Right Tentステージ…最初からトラブル多め。ベースの音が止まる。中盤以降にベースの音が出なくなってしまう。しかしここからが彼らの真骨頂…ベースが止まってもギターとドラムは止まらずにジャムる。ジャムりながら待つ。今思うと5分ちょいだったのかもしれないけど、その時は目当てのバンドだった事もありとても長い時間に感じた。なんて思っていたら徐々にベースの音が出てくる…キタキタと思っているとファズギターが鳴り響き会場は歓喜。長い機材トラブルとジャムから復活の1曲はSleepy Silver Door!昇天。ありがとう。しかし残念ながら機材トラブルの為その1曲で終了。残念でもあったけど最高のライブでした。
TelevisionをTelevisionだなあと思いながら観て、最後はBrian Jonestown Massacre。
90s以降のサイケデリックロックを方向付けたバンド。大人数編成で、バンドのフロントマンを勤めるJoelはタンバリン。歌わない。歌うのはギターボーカルのAntonやゲストボーカル。このバンドは金太郎飴サウンドでどの曲も全部ただただ気持ち良く、出立も最高。ギターが3人くらいいるのだけど、難しいことをするわけではなくクリーン〜クランチくらいの音でシンプルに同じようなコードを弾いて厚みを出しており、それが本当に心地よい。音源で多くのギターの音を重ねることはできるのだけど、ライブで実際聴くとこうも違うのかと実感。本当に素晴らしくて、今後自分のバンドは絶対人数増やそうと決心したし、実際増やした。
そんなわけでイベントは終了。ただただとにかく楽しいイベントは幕を閉じたのでした。
その他の感想として。今はもう少し大きくなっているのかもしれないけど。2016年のDesert Dazeは人数もそんなに多くなく快適に色々なバンドが観られたとてもいいイベントでした。またバンドをやる人間としては、まずギターアンプが大体Fenderだったことなどシンプルだけど日本との違いを肌で感じましたし、自然に楽器を持ち替える姿や、大人数バンドの迫力を体感できたのはすごく刺激になったし、大きな影響を受けました。
以上、そんな感じです。いかがだったでしょうか?これで私のDesert Daze 2016についての文章は終わりになります。行きたくなりました?どうかな?行っちゃえば?めちゃ楽しいよ!