2021年オーストラリア編

text by BLACK HOLE

PUNK / HARDCOREレーベルを紹介する記事、3本目はオーストラリア編です。今まで同様に3つのレーベルに絞りました。自分の体感だとオーストラリアシーンは大きくは東からブリズベン、シドニー、メルボルン、アデレード、パースなどに分かれていて、それにゴールドコースト、ニューキャッスル、キャンベラ、ホバート(タスマニア)などが足されるイメージでしょうか。
 
国名は知っていても音楽に関しては日本だとあまり知られずに終わるのが私的印象。(幅が広すぎですが)ロックが好きな人はAC/DC、Tame Impala、Silverchair、The Go-Betweens(ロバートさんの息子はThe Goon Sax)、King Gizzard & The Lizard Wizard、Courtney Barnettなどが有名で、アンダーグラウンドが好きならTotal ControlやAmyl and the Sniffers、The Chats、Scott & Charlene’s Weddingあたりが頭に浮かぶとか?
なんとなく80-00年くらいまで馴染みがありそうなところは、ガレージ・パンクだとRadio Birdman、The Scientists、The Saints、The Stems、The Chosen Few、The Hard-Ons / メロコア・当時の日本の雑誌枠くくり(?)だとBodyjar、Frenzal Rhomb、Living End / ハードコアだとRupture、Far Left Limit。それ以降は来日でおなじみYeap(Hardcore Victim)周りやMikey Young周りなど。これにインディーロックが加われば追えないくらいの数があると思います。

前段で飛ばしすぎましたが数年でオージーバンドは世界のレーベルからリリースが相次いでいます。今回はそれを支える(あくまでも一部ですが)地元レーベルがあることがここで伝わればと思います。

R.I.P. SOCIETY


オーナー Nic Warnock / 彼のバンド Bed Wettin’ Bad Boys(以下BWBB), Ruined Fortune など
 
まずはシドニーのレーベルR.I.P. SOCIETY。完全に身内びいきですが大好きなレーベル。名を広めたのは数々の名盤を残したRoyal Headacheの7”+LPリリースでしょう。ローカルバンドのサポートを続け、自分がオーストラリアシーンに興味を持つキッカケになりました。ちなみにRHやBWBBのレコードはSnuffy Smilesのディストロで手に入れました。

2009年のCircle Pitのリリースより活動開始。今目立った活動はないですが、NicはシドニーのRepressed Recordsで店員をしていますのでシドニーに行く際はお立ち寄りを。
前述のBWBBや盟友Dead Farmersの日本ツアーをやったこと、そしてepisode soundsやNAT Recordsがオーストラリアバンドと近かったこともあり自然と繋がりが深まっていった気がします。リリースのジャンルは幅広くインダストリアルからハードコアまで。Rat ColumnsもLow LifeもConstant Mongrelもみんな初期はここだった。

Favorite
BED WETTIN’ BAD BOYS

オーナーのNic、実弟のBen(Red Red Krovvy、The Baby、野球+日本好き)、Joe(Royal Headache、OSBO)、 Doug(写真家)からなる4人組。Replacements、Rolling Stones、The Saintsを感じるロックン・ロール。わかりやすいPUNKとは異なるけど、ずっと聴いていられる1枚。All Time My Favorite盤。

DEAD FARMERS

愛すべきポンコツ(エンジニアとしては一流)、David率いる骨太サイケガレージパンク。
評価されて欲しかったなと。最初の来日はセルフブッキングで来ていて、その際に声をかけたのがツアーのきっかけに。もう見られないけどライブが最高。家にレコードあるんで欲しい人いたら連絡ください。

<余談>
その他シドニーはSexy RomanceやParadise Daily、Urge Records(現在はシドニーとL.A.で遠距離運営中)など素晴らしいレーベルがあって良いシーンだなと思っています。
最後に若手R.M.F.C. と Concrete Lawnを紹介します。出会った時10代の子も居たので多分20代前半くらいかと。Concrete Lawn (Urgeからのリリース)はディストロ予定なので買ってください。CLは漣さんのPUNK AND DESTROYにも入荷すると思います。Black Hole Online(秋以降、ちゃんとアップします)

R.M.F.C.-Reader 7″(2020)
Concrete Lawn-AGGREGATE(2020)

COOL DEATH RECORDS

オーナー Tom Bradford、Alessandro Coco、Moses Williams の3人での運営
※実際に彼らにあったことはないので情報に不安あり。バンドをやっているかは不明。

続いてはメルボルンのCool Death Records。最初の記事で書いたStatic Shock RecordsリリースのOily Boysの地元盤(ジャケの差し色が異なります)はここがリリースしています。知ったのはハードロックトリオPowerのLPがキッカケでした。全体としてはハードコア、ガレージ、ポストパンクはで抑えていてこちらもオールジャンルのイメージ。年に数タイトルはリリースしており毎回作品リリースが楽しみなレーベルです。

Favorite
ORION

Orion-Orion(2017)

5曲目のExecutionをまず聴いてください。Low LifeやOily BoysのメンバーでありDiatの2nd LPのジャケを手がけたYuta Matsumuraがボーカルを務める美メロ・ニューウェーブ。DJでかけると誰ですか?って訊かれるバンド2020年1位 。来日の話あったけど受けられずめっちゃ後悔してます。バンド自体はシドニーです。

POWER

Power-The Fool(2019)

名は体を表す。POWERという言葉がぴったりのハードロックバンド。ベタで申し訳ないんですが、MC5やMotorhead、The StoogesにSoggyといったバンドにパンクとメタルをぶち込んだわかりやすい音だなと思っています。(ハードロックもメタルも門外漢なので表現が間違っていたらすいません。)この手のバンドは聴かないだけで絶対好きな人がいるはず。レコーディングとミックスはアル、マスタリングはマイキーのTotal Controlコンビ。メルボルンのバンドなのに最初はDripper Worldからオーダーしたことを思い出しました。

HELTA SKELTA RECORDS

オーナー Kyle Gleadell/ 彼のバンド Cold Meat、Helta Skeltaなど

Iron LungのようにバンドHelta Skeltaと同じ名前でレーベルを営むKyleがオーナーを務るレーベル。2012年よりパース郊外からアンダーグラウンドミュージックを発信中。MILKとツアーを回りSplitもリリースしたRed Red KrovvyのリリースもHSRですね。
名の通り自身のバンド(どちらも最高)に関するリリースも多いですが、その他もマイナーコード、リフのループ、変わった音作りなど、わかりやすい音というよりは一癖あるPUNK / HARCOREバンドをサポートしているような気がします。

Favorite
PATHETIC HUMAN

PATHETIC HUMAN-Public Disgrace 7″(2014)

2009年にレコーディングされたものが2014年に6曲入り7”としてリリース。身近なところでヘヴィーかつノイジーPower Violenceのリリースは多くないので選んでみました。今聴いても結構好き。

COLD MEAT

COLD MEAT-Hot and Flustered LP(2020)

Kyle在籍のCold Meat。前の記事で紹介したStatic Shock Recordsとの共同リリース。過去には来日したUBIKとのスプリット7”もリリース。Post Punkを強く感じるメロディーラインをノイジーでスノッティーな音色で演出、そこにUKパンクの先人たちをイメージさせられる熱のこもった声量強めなボーカルが乗ることで、最高のパンクに昇華できてると思います。

こんな感じでオーストラリア編を終えたいと思います。Bedroom Suck、Hardcore Victim、Coolin’ By Sound、Anti Fade、Tenth Courtなど紹介しきれないくらい素敵なレーベルがあるんで気になった人は是非チェックしてみてください。