Ams Tripper / 荒川 淳 アムステルダム日誌

text by 荒川 淳/
ジャンプス,〽,スピンクス,
ReddTemple,studio tissue★box

皆様ごきげんよう!

のやつから始まるYouTubeチャンネルを何となく見て過ぎ去ってしまう毎日が訪れてきて、これはまずかもしれないな!どうにかしなくちゃいけないんじゃなイカ?

そんなことを考えたり考えなかったりして月日は経ち、30過ぎたあたりから自分が今何歳かわからなくなってきた。確かこの前37歳になったんだ。

異世界転生して一から何かをやり直す事はできなそう…本気をだすのは今しかないのか…そんなよくわからない話はまた別の機会か墓まで持っていきましょう!

という事で先日アムステルダムにあるOCCIIというDIYスペースの30周年のイベントに参加してきました!

今回のアムステルダム遠征のいきさつを簡単にお話しすると敬愛する音楽家sofhesoのヨーロッパツアーが決まったという情報をキャッチし、札幌のolololopというバンドの水上さん(定期的に電話するテル友)とそのことで電話をしていたら俺たちも行こうぜ!みたいな話になったのがきっかけになり、ありとあらゆる友人知人の皆さんにヨーロッパでライブするレクチャーを受けなんとかライブをしに行くことができた!という感じです。

OCCIIという場所でライブができる事になったのは、in the middleチームのご協力のもと、これまた私の敬愛するバンドTheExのメンバーでもありZEAで活動中のArnoldさんにコンタクトをとりArnoldさんがOCCIIの運営に携わっていたことがきっかけになります。

遠征は移動含む1週間、ライブは3本~4本やってみたかったのですが、動き出しが遅かったこともあり(遅くとも半年前には動き出した方がよいみたいです)、ライブ自体はOCCIIの1本だけになりました。

そんな中Arnoldさんのご厚意のもとに、レコーディングを一緒にやる事と、OCCIIが30周年のイベントを開催するとの事でそのイベントを見に行く事、さらにはスタジオでのパーティにも参加させて頂くことになり、アムステルダム満喫ツアーが幕を開ける事になります。

旅行記の前にOCCIIについて少しだけ説明させて頂くと、OCCIIはOnafhankelijk Cultureel Centrum In Itの略称で、インディペンデントな音楽やアートの活動や発信の拠点になるオルタナティブでDIYなスペースです。スタッフは主にボランティアで形成されています。OCCIIのホームページに概要が記載されているので是非ご一読ください。

OCCII HP info

ここからはブログ的なラフな旅行記になります、大変かと思いますがよろしければご一読下さい!

1日目・2日目

成田空港でolololopと合流し、飛行機にライドオン、ドバイ経由で片道約20時間、英語がまともに話せたない私は入管で「Why?」と聞かれた気がするので「sightseeing」とドヤ顔でいったらなぜか爆笑されて、いくつかの問いになんとなく答えているうちになんとなく入管をクリア、アムステルダムの大地を踏むことができました。

バスにのりOCCIIが管理しているゲストハウスへGO!(滞在中ここにずっと泊めさせていただきました)

まんまとQRコード決済がうまくできず、バスに閉じ込められそうになったので運転手に『お金はちゃんと払ってるから!ありがとう!アミーゴ!』と日本語で無理やりバスから逃げ出し目的地に無事到着することができました!

ゲストハウスはキッチン、バスルーム、トイレにベッド、もう何でもあるじゃん、すごい!ありがとうございます!

お世話になった中庭とゲストハウス

近隣を探索して、明日のレコーディングに備え、vlogを作るために買ったカメラにほとんど映像がない事は見なかったことにして早めに就寝。明日からちゃんとしよう、おやすみなさい。

3日目

Arnoldさんが迎えに来てくれて、車で一緒にスタジオへ向かうという事で、早々に朝食を済ませてタバコに火をつけたり消したり繰り返してそわそわしているとついにやってきました、Arnoldさん。

間違いなく私の音楽の血となり肉となっているバンドの一つTheEx。憧れの人との対面に心震えました、ブルブルと。その音サンプリングしておけばよかった。

スタジオは高速道路をつかって30分くらい。道中緊張しすぎて何を話してよいのかわからず天気や季節の話を中心に知っている英単語をひねり出しているとスタジオに到着。

スタジオはKatzwijm studioという所でTheExやZEAも利用したことあるよと言っていました。お花の牧場の一角の建物にありとてものどかな素敵な所でした。

エンジニアのFloydが準備をして待っていてくれて、挨拶早々にセッティングをしてレコーディングする内容を相談していざレコーディング。

ギターアンプからあの音が聞こえてきた時は感動と興奮でどうにかなりそうでした。

お互いの音を探りつつ、楽しみながらも集中して演奏ができてとてもいい録音ができたのではないかと思っています。あっという間に時間が過ぎ、ミックスの方向性を話し合いレコーディング終了。

あっという間でした。

レコーディングの様子

詳細は後述するかもしれませんがこの録音はカセットテープで3月にリリース予定です!

宿舎にもどり、vlogを作るために買ったカメラにあまりいい映像がとれていなかったけれど、すごい一日だったなと実感して就寝。

明日はついにライブだ!

4日目

ライブ当日。イベントはOCCIIの30周年イベント” 30 YRS SCREEMING AT A WALL ~ OCCii[1992-2022] ”の一日目にあたります。

フランスからPORTRON PORTRON LOPEZ、アムステルダムのYODEL QUEENとolololopと私の4組で行われました。

サウンドチェックをすませると、2階のラウンジスペースに案内されて出演者やスタッフの方々とご飯を食べました。もっと英語が話せたらよかったけどめちゃ美味しかった。

みんなでご飯

イベントはolololopからスタート。セッティングの関係でフロアーにてライブ。

olololopのリズムがフロアーをぐるぐる回っていくにつれお客さんも前の方に来たり、立ち上がって踊りだしたり反応がダイレクトでとても面白かった。

olololopのライブを見るのも久しぶりで前見たときと印象がまた変わっていて嬉しかったですし、遠い地でお客さんにも受け入れられていてとても勇気をもらいました。

olololop

2番目はYODEL QUEEN。

地元のバンドというのもあってかとても盛り上がっていて、うわあこのあとやるのかー、とプチナーバスになりましたがかっこよいパンクサウンドにもパワーをもらいました。

※写真とライブ動画とれていなかったのでYoutubeへGo!

Yodel Queen – Ø Sessie

3番目は自分の演奏。

ステージに立つとやってやるぜ感があるし、ちゃんと緊張していたので大丈夫そう!とよくわからないポジティブスイッチをおしてパワー系で押し切りました。

お客さんも喜んでくれていたみたいだし反応もありとても嬉しかった。

荒川 淳

最後はPORTRON PORTRON LOPEZ。

パーティ感とストイック感が同居しているダンスチューンで、メロディアスだけれどミニマル感があってとても面白かった。

※写真とライブ動画とれていなかったのでYoutubeへGo!

Portron Portron Lopez – En Attendant (live)

ライブが終わってDJタイム。お客さんが好き勝手各々踊っていて、この謎ぶちあがりが一生続きそうな感覚は最高でした。最後の選曲が終わった後にDJの人とolololopの橋口さんが抱き合ってたのがめちゃよかった。

もうvlogの事はあきらめていたのでカメラを見返すこともなく、満足感と終わってしまった寂しい気持ちともっとやりたいなー!といった今後の事などなどを考えながら就寝。

5日目

この日はオフで観光とか色々しようという事で、おすすめしてもらっていたRUSH HOURというレコード屋へ。店内にはいるとAunt Sallyが流れていて、これはいけるかもしれない!という謎の期待をもってショッピング。

テクノやハウスを中心にエクスペリメンタル豊作でこっちまでエクスペリメンタルな気持ちになり数枚のレコードをゲット。

RUSH HOUR

自分のレーベルASCからリリースしたolololopのカセットを何とか納品したかったのでごにょごにょ交渉したらその場で視聴してくれて無事納品OK!サンキューアミーゴ!

観光だからという事でとりあえずコーヒーショップ行ってみよう!という事でその後しばらくは全ての道が斜めになり、本当に斜めの道があり、ご飯を食べてサウナへ行き正気にもどり、OCCII30周年の2日目のイベントを堪能。

イベントはフランスからKOUというアーティストが来ていて、オルガンが数十台重なっていてエクスペリメンタルなライブ、最高でした。

KOU

その日からゲストハウスにKOUの2人も一緒に泊まることになり、連絡先を交換したり少しの世間話をして、全ての道が斜めになった動画の確認をして就寝。

本当に斜めの道にあったすのこ

6日目

OCCII30周年のイベント最終日。ライブ演奏つきのトラムに乗って市街を回り、会場である教会へ。

パイプオルガンの演奏からスピーチや食事、様々なアーティストが集結していてすごいイベントでした。

会場の教会

最後にやったArnoldさんのZEAとクラリネット奏者Xavier Charlesとのデュオが本当にかっこよくて、今までいろいろあったけど音楽やってきていて本当によかったと思いました。

もっと頑張ろう。

イベントの様子はこちらのサイトでも確認できますので是非とも。

VICE HP

OCCII HP/30-years-occii-festival-thank-you

7日目

30周年のアフターパーティにも近い位置づけで、レコーディングをしたKatzwijm studioにてスタジオライブのパーティに参加。

この日もZEA& Xavier Charlesのライブは最高だった。

私はolololopのマンデー君と2人でデュオ。

最後にZEA&Xavier の二人とArnoldさんの子供も一緒にセッションをして終了。

みんなでセッション

出来立てのビールやご飯をご馳走になり、子供たちもいてアットホームな感じで、日本に戻ってまともに生きていけるのか不安になるような贅沢な時間を過ごしました。

帰りの車からの景色が沁みました。

8日目

Arnoldさんがゲストハウスまで迎えに来てくれて、空港まで送ってもらい、グッバイアミーゴ!の儀式を経てアムステルダム旅行記は終了になります。

あとはひたすらパンがでてくる飛行機にのれば日本。

ありがとうアムステルダム、ありがとうOCCII、ありがとうArnoldさん!

ダンキュウェル、アミーゴ!

Xavier&Arnold(ZEA)
arakawa,Ren Takashima(olololop)

というわけでここまでお読みくださりました皆様ありがとうございました!えんもたけなわなので今回の経験で感じたことなどなどを少し書いて〆の挨拶とさせて頂きます。

OCCIIに集う人たちが音楽や表現についての多大な敬意をもって接している事、それが生活の一部として時が流れているように見えて、まじで最高だなと感じました。

社会の雰囲気や生活の違いからか日本で感じている閉鎖感のようなものがなくて、何かの扉が開いてる!と感じました。

ただ日本では全然つまらないかというとそうでもなくて、日本にいても沢山の面白い音楽やスペース、魅力的な人達が沢山いるなあと改めて感じました。

あ!言いたい事が特にあるわけではないのですが、面白いものを面白い!って言ったり、自分のこれがいい!と思うものを形にして表現したりする事をこれからも向き合ったり更新したり、楽しんでいきたいなと、今回のOCCII30周年を体験して感じました。

あらゆることがずっと続いていくと思いますので、始まったり、音出してきましょう!

それではありがとうございました!

荒川淳(ジャンプス,〽,スピンクス,ReddTemple,studio tissue★box)