Stay Primitive!!! Interview With Mr.Death / Back From The Grave Returns, Primitive Fest

東京のガレージパンクの象徴ともいえるイベント”Back From The Grave”の中心メンバーの1人であるMr.Death。
in the middleのYouTubeでもプリミティブR&Rに対する熱い想いを語ってもらったが、それ以外の音楽遍歴やその強烈なキャラクター性、氏が主催している数々のイベントやBack From The Graveのヒストリーなど、in the middleとしては気になることがまだまだ山ほどあったため、追加取材を行った。
これを機に是非皆さんもプリミティブR&Rの世界にズブズブに浸り、頭のネジを2,3本飛ばしてみてほしい!Boys Be Primitive!! UNGAWA!!
インタビュー:Bisco / Episode Sounds
編集:in the middle 
*太字以外はMr.Deathの発言です。
*今回、Mr.Deathの監修のプリミティブR&R コンピカセット”THE PRIMITIVE THING SHOW”をin the middleでリイシューしました。購入はこちらから

Mr.Deathは静岡県静岡市出身。ピンクレディーや山口百恵が好きだった時代を経て、ロック的な音楽に興味を持ったのは中学2年。ちょうど日本のテクノやめんたいロックが出てきた頃。

特に好きだったのはThe Mods、The Roosters、YMO、The Plastics、P-Model、Lizardなど。歌謡曲とは異なる音楽性だったが、当時はその手の音楽も比較的メジャーなメディアへの露出があったため、興味を持つきっかけは得やすかった。

Yellow Magic Orchestra – Solid State Survivor(1979)
The Roosters – The Roosters(1980)

この頃はまだガレージとかサイコビリーとかR&Rには全然辿り着いてなくて。ただ当時YMOの影響は大きかったですね。ファッションというかビジュアルもインパクトがあって。今までずっとビジュアル重視できてますから、そういう意味でも(笑)

あとは映画ワンダラーズなどの影響でオールディーズのような音楽。やはり中学の時から不良文化が好きだったし、周りはそういう奴らが沢山いたから。暴走族にいくか、音楽にいくかしかなかったけど…僕は音楽の方に興味を持ったんですね。

高校に入るとStray Cats、The Clash、Sex Pistolsなどを知ることになる。それらをMr.Deathに教えたのがThe Fly氏。今でも静岡を拠点に活動し、Back From The Graveをはじめ東京でのガレージイベントにも頻繁に出演しているワンマンバンドThe Fly & His One Man Garbage、その人である。高校の同級生を通して知り合った彼らは、40年以上の付き合いになる。

The Fly And His One Man Garbage
Photo By Sailor’s Grave

その後に登場したMeteorsなどのサイコビリーを教えてくれたのもThe Fly氏。のめり込む様にその手の音楽に傾倒していく。

その頃になると、僕は専門学校で東京に出てきていたんです。情報も多くなってツバキハウスとかブギーボーイとか…ロンドンナイトとかロカビリーナイトのようなイベントに行き始めたんです。一気にそういう音楽にハマっていったという…

ただ、高校生の頃から、情報源としては雑誌だったりとか…あとは友達の誰かしらが東京に行ってレコードや洋服を買って帰ってくる。原宿のクリームソーダとか西新宿のエジソンとか。何かしらの情報を持って帰って来てたんだよね。。僕はア・ストア・ロボットやロンドンドリーミング派だったんだけど(笑)

情報ってそれくらいしかなかったし、雑誌も静岡ではそんなに色々見つからなかったので。まぁでもDollとか雑誌のレビューで気になったものは、夏休みに東京に行った友達が買ってきたレコードをみんなでテープに焼いたりとかね。

レビュー読んで欲しくても静岡では買えないものが多かったから東京に行く友達に頼んだけど、お金貯めれば2時間くらいで東京に行けたので。場所としてはリアルな情報を仕入れやすかったのかも。雑誌だけではなく、モノとして。洋服なんかも含めて。

The Fly氏との交流もあり、暴走族ではなく音楽に傾倒していったMr.Death。東京に来るキッカケは何だったのであろうか?

本当は美術系の大学行きたかったんだけれど。それこそTexaco Leathermanが武蔵美術大学出身、Jackie & The Cedrics、The Titans、The Great Mongooseとかが造形大学出身だったりというのは後々知るんですけど、その頃は勿論そういうバンドがいるってのも知らないし。

ただ中学、高校の頃からイラストレーターになりたいってのは思ってて、アートスクールみたいな専門学校に行ったんだけどね。その頃のGarage Rockin’ Crazeのジミー益子さんのフライヤーとか、その後出てきたロッキン・ジェリー・ビーンとか…そういうのを見たら自分には無理だと思って、そういう世界は諦めました。その後の仕事はただただずっとアンダーグラウンドな業界でした(笑)

GARAGE ROCKIN’ CRAZE(2017)
Artwork by Rockin’Jelly Bean

東京に出てきてからは、色々なイベントにお客として行きもしたけれど、それよりもむしろレコードを買う、聴く事に夢中だった。Mr.Deathと言えばプリミティブR&R!この頃買い漁ったコンピレーションLPが今に繋がっているとのこと。

こういったコンピを買うきっかけになったのは、当時西新宿にあったBarnhomes Recordsの店長さんがオリジナルのミックステープをくれたんですよ。確か「Blow Out!」ってタイトルだったかな?レコード買ったオマケみたいな感じで。それがこういう世界に入ったキッカケかも知れないです。

The Hep StarsのSurfin BirdとかDean CarterのJailhouse Rockとかぶっ壊れたやつが。Hard-Onsとかも入ってたかな。あとHasil Adkinsとか。

こういうジャンル…ジャンルとも言えない切り口が好きになっちゃって。Barnhomes Records通うようになったのと、あとDollでの関口弘さんの記事とか見て…何がキッカケで最初にBarnhomes Records行ったのか覚えてないんだけど。

その頃はThe Crampsなんてよく知らなかったし、The Crampsのおどろおどろしさにはあまり興味なかった。Meteorsの速いロカビリー、サイコビリーの方が最初は好きだったな。

The Cramps – Songs The Lord Taught Us(1980)
The Meteors – Wreckin’ Crew(1983)

私たちからすると「Mr.DeathといえばThe Cramps」といったイメージも強かったが、初めからそうだったわけでもないらしい。そこで登場するのがBorn Badシリーズである。コンピレーションLPを買い漁っていた中でこの音源に出会うというのは必然とも言えるかもしれない。

Various – Born Bad Volume One

これにはすごく影響を受けた。The Crampsの元ネタ、カバーネタとなる50年代、60年代のぶっ壊れR&R。その後のガレージパンクの1つの指針になったと思うけど、当時はそんなことも分からず。でも当時そんな切り口はなかった訳だし、キッカケとしては大きい。

その後インターネット文化が発展してきてからかな?Las Vegas GrindとかDesperate R&Rとか、色々面白いコンピが出ているのを知って。誰が作ってるのか分からないようなものなんだけど、色々聞くとティム・ウォーレン(Crypt Records)が関わっているものが多いらしいと。あとはミリアム&ビリーのカップルによるNorton Recordsのリリースとか。

Various – Las Vegas Grind! Volume One(1987)
Various – Desperate Rock N Roll! Volume One(1987)
Norton Records/The A-Bonesのミリアム&ビリーを囲んで

そういうレコードが、Vinyl RecordsとかBarnhomes Recordsに入って…まずジャケがカッコいいじゃないですか。その頃は少し収入もあったんで、手あたり次第買って影響を受けまくってましたね。

Las Vegas Grindなどのコンピレーションに入ってるバンドって無名だけど、バンド形式がビッグバンドだと思うんですよ。カバーしようっていっても難しいというか。カッコいいですよね。

氏の音楽的価値観の根底にあるのは、こういったコンピレーションLP。収録内容を表したかのようなジャケットもまた、これらのコンピレーションの醍醐味との事だが、氏がイラストレーターを志していた事とも関係があるかも知れない。そしてプリミティブR&Rのエロティックな世界についても氏は語る。

ジャケットだけじゃなくて、サブタイトル的に使われている文句もカッコいい!そういう部分も影響受けてますね、自分のイベントやSNSでの宣伝で使ってみたり。

あとはプリミティブR&Rとエロの融合っていうのがある。Las Vegas Grindとかがその辺で。いかがわしさ、エロさ、怪しさ…

個人的な話では、自分はバーレスクのイベントにDJのオファーいただいたのが色々なキッカケにもなったんですよね。バーレスクは今も盛んで、エロチカ・バンブーさんとか世界で活躍されている方もいますけど。

僕は7inchコレクターとかではないけれど、バーレスクダンサーさんの雰囲気を盛り上げるという役割で、今でもお付き合いさせてもらってるという感じです。自分の活動においても、ちゃんとプリミティブR&Rとエロは融合してます(笑)

エロチカ・バンブー氏&Mr. Death

ガレージパンクという意味では独自の価値観、立ち位置を持つ反面、Back From The Graveをはじめ国内ガレージイベントには中心的存在として関わっているMr.Death。

ガレージパンク、プリミティブR&R、ストリップ・ミュージックというのは僕にとっては三つ巴なんですよね。

ガレージパンクとなると、ジミー益子さん、Toyozo君(The Fadeaways)みたいな人がいるから。ただ、僕は今ガレージ界隈にいるっていうだけで、ジミー益子さん、Toyozo君みたいなコレクターでもないし。

DJとしてガレージパンクを期待されているのはジミー益子さん。僕はプリミティブR&Rをかけるのを期待されてるかもしれないんだけど、意外と外すのが好きで。身の回りのカッコいいバンドを、最近で言えばTalent Showとか。ガレージに関わらずかけたいという気持ちはあるんだよね。

イベントの趣旨に合わないかなーと思う事もあるけど、そもそもBack From The Graveってそれにこだわっていないと思うし。ガレージにこだわった曲だけをかけるよりも、色々かけた方がBack From The Graveらしいのかなって。

現在Back From The Graveの中心人物の1人であるMr.Death。ただ、氏がBack From The Graveに関わる以前の事については謎に包まれている。その頃のBack From The Graveやガレージシーンをどのように見ていたのだろうか?

Back From The Graveより前に、ジミー益子さんが下北沢SlitsでGarage Rockin’ Crazeというイベントをやっていて、僕はプリミティブR&Rのレコードを買いまくってはいたけど、実はそこまでイベントには行ってなかったんです。もちろんそういうイベントがあるというのは知っていたけど、怖くて行けなかった(笑)

下北沢Slitsで言うと…その前はZooかな、Scampのメンバーの方のイベントでInsane Nightとか、現The Beach Cat Club、当時はThe Mutant Monster Beach PartyをやっていたクミーさんのイベントRockin’ Garageとか。そういう人たちがサイコビリーとかガレージのイベントをやっていたというのは後に知ったんだけれど。

僕が行ったのは、ジミー益子さんがやっていたGarage Rockin’ Craze。自分が興味を持って買っていた音楽のイベントがあるってことで行ったんです。

Mr. Death,Daddy-O-Nov氏,ジミー益子氏

そしたら、DJブースの前に上下革ジャンの人がいたんですよ。背が高くてサングラスして、すごい目立っていて。超カッコいいなーと思って!そう、まだデビュー前かデビューしたての頃だと思うんですがGuitar Wolfのセイジさんだったんです。

その頃から日本のバンドにますます興味が強くなり、Dollのライブレポなどを頼りに、イベントやライブにも通うようになったMr.Death。それまでは海外の音楽に対する興味が強かったが、一気に日本のバンドにも興味を持つようになった。そしてそれを加速させたのが、Journey To The Mad BrainというCDコンピ。Mr.Deathにとって大きな意味を持つコンピのようだ。

Various – Journey To The Mad Brain(1991/Re-issue 2000)

山本リンダが入ってるんだけど…(笑)、その後のBack From The Graveの主要バンドがたくさん入ってるんですよ!多分これは最初職場のガレージ好きの友人にテープに録ってもらったのかな…それまでプリミティブR&RのコンピLPばっか聴いてたけど、日本にもこういうシーンがあるんだっていうのをこのコンピで知りました。

その頃はそればっか聴いてて。Texaco Leatherman、Jackie & The Cedrics、The 5.6.7.8’s、Guitar Wolf 、The Great Mongooseとかが収録されてて。今はやっていないバンドも入ってますけど。このコンピを聴いて、こういうシーンを作っている人がいるんだと知って、それがDaddy-O-Novさんだった。
*Daddy-O-Nov氏は本コンピをプロデュース、再発盤でライナーを担当。

ちゃんとしたレーベルから出てたはずで、今でも売ってると思うんですよ。ありがたいことに最近でも若い人でBack From The Graveに来てくれる人がいるけれど、そういう人達もぜひ聴いてみて欲しい。

今もガレージは新しいバンドもたくさん出てきて、常に変化している。ガレージってそういうもんだと思うし。ただ、ガレージパンクと言うキーワードが引っ掛かる人であれば、どうシーンが盛り上がって今に至るのか、Journey To The Mad Brainを聴けば分かりやすいと思う。是非聴いて欲しいし、僕にとっても大事なキッカケになったので。

やはりMr.DEATHと切っても切り離せないのがイベント”Back From The Grave”。イベントタイトルは、ティム・ウォーレン氏のCrypt Recordsから出ていた60年代のガレージのコンピレーションLPシリーズが由来になっている。

Various – Back From The Grave(1983)

僕はコンピレーションよりも、日本のイベントの方が先に知りました。で、色んな人と知り合いになったり、Dollの関口さんのレビューの中で同じタイトルのコンピレーションがあるのを知って買ったんです。

全部は持ってないですが、僕的には全編に渡ってプリミティブに感じた。何だろ…ロカビリー感、ソウル感、フォーク感、ドゥーワップ感…そういった50年代60年代の音楽のぶっ壊れた部分が詰め込まれてるっていう感覚。それが興味を持ったキッカケですね。チープ感というか。

ガレージパンクって、色んな説があるけれども、当時のティーンエイジャーがガレージでセッションをしてっていう…チープだけどオンリーワンというか、アルバムを出せるほどのバンドではなかったけど、超カッコいい曲が1曲あったりとか。コンパイルしたティム・ウォーレンの力もあったと思うけれど…そういう部分がハマった理由ですね。

Mr. Death,ティム・ウォーレン氏,Daddy-O-Nov氏

初期のBack From The Graveの出演バンド達の事はどのように思っていたのだろうか

Back From The Graveというイベント名でやっていたけれど、初期に出ていたバンドにはBack From The Graveのようなコンピレーションに収録されている60sガレージパンクが直接的な影響を与えている印象はなかったように感じました。

Texaco Leathermanにしても、Jackie & The Cedricsにしても、The 5.6.7.8’s、Guitar Wolfみんなそういう音楽に影響は受けていただろうけど、モロにそういうバンドではないわけだし。それよりもむしろイベント全体としてはThe Crampsの影響が強かったような印象です。

60sガレージパンクに影響を受けた正統派っていうと、Back From The Graveの最後に出てきたThe Evil Hoodooとかなんじゃないかな。The Evil Hoodooが出てきたときは、やっぱ別の意味で衝撃を受けましたね。今のBack From The Graveはその辺が全てミックスされている感じ。
*Back From The Graveは一旦1992年に終了、Returnsとして2009年に復活する。

The Evil Hoodoo

The Evil Hoodooがガレージシーンの中でも、とりわけ”正統派60sガレージパンクバンド”と評されるのも納得である。Back From The Graveというイベントタイトルから、皆コンピレーションに収録されてるような音楽に影響を受けたと思いがちかも知れない。でも当初は必ずしもそうではなかったようだ。

その後Daddy-O-Nov氏からの誘いで、Back From The Grave Returnsとして再開したイベントのレギュラーメンバーとなったMr.Death。一時期、地元静岡に戻っていたらしいが、再度東京に出てきた時期の出来事がキッカケらしい。Daddy-O-Nov氏との出会いやその頃についても語ってもらった。

今から15年ちょっと前だと思うんですが、Daddy-O-Novさんと一緒にDJさせてもらったんです。東高円寺U.F.O. CLUBで現Taka-Rock & Oneman HeartbreakersのTaka-Rockが当時やっていたThe Volume Out!の企画で、SM Showなんかも交えたやつ。

フェティッシュとR&R、エロとR&Rみたいなイベントで。そこにDJで誘ってもらった時にDaddy-O-Novさんと一緒で、色々お話しさせてもらったんです。僕は勿論存じ上げていましたけど。

その頃は静岡に戻っていた時期だったんですが、仕事の関係などでもう1度東京に出てくるところで。その引越し先が東高円寺U.F.O. CLUBの近くだったという縁もあって。

Mr. DeathとDaddy-O-Nov氏
東高円寺U.F.O. CLUBのイベントにて

その後Daddy-O-Novさんと何度かお会いする中で「デス君、この辺に住んでるんだったらBack From The Grave Returnsを定期的にU.F.O. CLUBでやるから、DJとして入っちゃいなよー」というのがキッカケですね。

Daddy-O-Novさん、ジミー益子さんがいる中で、僕も含めた3人がメインメンバーになっていまして。恐れ多くて、何で僕がという気持ちもあるんですが、先述のエロとR&Rのイベントで僕がかけた曲がDaddy-O-Novさんに引っかかったのかも知れない。その時もLas Vegas GridとかのコンピレーションLPかけてたから。そのタイミングで、U.F.O. CLUBの近くに住んでるならってのがキッカケだったと思う。

僕は1回終わった後に再開した、U.F.O. CLUBでのReturnsからなんですよ。だからそれ以前の事はあまり詳しくなくて。

最後にMr.Deathが関わっている数々のイベントについても解説していただいた。そしてやはりDaddy-O-Nov氏に対する想いに。

●Back From The Grave Returns

東高円寺U.F.O. CLUBで毎月第2土曜日に開催している、僕がDJとして所属している唯一のイベント。Daddy-O-Novさんが1番力を入れているイベントでもあります。

Artwork by Kame

●Bad Tasters

幡谷クラブ・ヘビーシックでEd WoodsのBillyちゃん、Taka-Rock & Oneman HeartbreakersのTaka-Rock、あとサイコビリーの仲間たちと企画しているイベント。

●The Virus

こちらも幡谷クラブ・ヘビーシックで。Early Alleyっていうイベントを主催している仲間や周辺の連中と一緒にやっている、若いDJからベテランDJまでいるオールジャンルのイベント。

●Rockabilly Psychosis And The Garage Disease

やれて年に2回ぐらいかな、これも僕が幡谷クラブ・ヘビーシックで主催としてやらさせてもらっているイベント。ロカビリー、ガレージパンク、プリミティブR&R、僕の思うそういうバンドに出てもらってる。イベント名も、インタビューに出てきたように影響を受けたコンピレーションLPから拝借してます。

Artwork by Geisha -Pussy

●Primitive Fest

同じく幡谷クラブ・ヘビーシックで主催させてもらっているイベント。年1くらいで4年目くらいになるかな。地方のバンドとかも早めにオファーして呼んでやってます。

出てもらえるかはタイミングに寄るんだけど、The Fly & His One Man Garbage、Baitones、Texaco Leatherman、Saturns、こういったバンドが常に頭の中にあって。あとサイコビリーで言うとThe Psyclocks。新しくいいバンドも出てきているので色々誘いたいんだけど、Primitive Festに関してはこの辺のバンドが核となるというか、まず出て欲しいとイメージしてますね。

直近では2022年11月に、北九州のサイコビリーバンドJericho Bunch、The Fly & His One Man Garbage、Stompin’ Riffraffs、Hi-Nomady feat. Miyakawa(The Psyclocks)、Hydro Stompers、Junichi The One Man Zorch Klub(The Psyclocks)というメンツで開催しました。

Artwork by Naoya(BOBBY’s BAR)

●Mondo Japonica

2022年にこれまた幡谷クラブ・ヘビーシックで初開催した、Mr.Death的に日本が誇るモンドでウィアードなアーテスト、パフォーマー出演のトラッシーなイベントです。

Artwork by Kame

僕がイベントをやるときは、必ずDaddy-O-NovさんにDJとして最初にお声掛けするんです。なぜなら僕がイベントに対する感覚をすべて理解している人だから。なのでDaddy-O-Novさんのスケジュール次第ってのもあります。

Daddy-O-Novさんは常に週2くらいDJをやっている忙しい方ですが、毎回自分のイベントに快く出てくれます。先にスケジュールが入っていた場合以外では断られたことがない。ずっとあこがれの存在で、ああいう人になりたいなって思いますね。無理だけど(笑)

Daddy-O-NovさんはThe Specialsの日本のファンクラブのメンバーだったりとか、その後80年代初頭からEmotional Marketっていうハードコアパンクのイベントを新宿Jamで主催して、今ではレジェンドになっているようなハードコアパンクバンドが集っていたりとか。勿論その頃からThe 5.6.7.8’sなどの福生界隈のバンドやジミー益子さんのGarage Rockin’ Crazeとかとも絡みがあって、どんどんガレージ方面に入っていったんだと思う。

さっき話した通りですが、その頃は時代的にThe Crampsの影響が大きかったと思う。Daddy-O-Novさんのように色々な音楽を知っている人にとっても、やはりThe Crampsは衝撃的だったと思うんですよ。

Daddy-O-Nov氏とThe CrampsのPoison Ivy氏

それがキッカケで、新宿ジャム、その後下北沢ShelterでのBack From The GraveイコールHalloween Ballと言えると思うのですが、そういったイベントに繋がっっていったんだと思う。
*Back From The Graveの第一回は1989年のハロウィーンの日に開催。

The Cramps愛溢れるツーショット

Daddy-O-Novさんは、今でこそガレージゴッドのイメージですけど、元々はもっと色々な場所で活躍されていた方で、その意味でもレジェンドなんですけど。ただ、僕としてはDaddy-O-Novさんがガレージという流れでこういう活動をされていたので繋がれたという感じです。The Crampsからの影響って、Daddy-O-Novさんを今の方向性に向かわせたという意味で、絶大だったと思います。

Lux&Poison Ivy(Mr. Death家の愛猫達)

そうそう、ウチには猫ちゃん2匹いるんですけど、名前はLuxとPoison Ivyですね。それももちろんThe Crampsからです!

*今回、Mr.Deathの監修のプリミティブR&R コンピカセット”THE PRIMITIVE THING SHOW”をin the middleでリイシューしました。購入はこちらから