ツアーマネージャーの生活 interview with Edoardo Fracassi
text by Hyozo-ゴヰチカ
ツアーミュージシャンは移動する。毎日少なくとも100キロ以上、日によっては3つも国境を跨いだりするし、北米では何百キロにもわたるサボテンだらけの荒野を移動するだけで一日が終わったりすることもある。もちろんメンバーが国際運転免許を取得していれば自分たちで運転することもあるが、多くの場合バンドが最初に雇う存在が「ツアーマネージャー」だ。
一般的にイメージされる人気グループのツアーは何十人ものスタッフを抱えたものだが、駆け出しのインディーバンドが雇えるスタッフはほとんどの場合一人だけで、機材や物販、メンバーとマネージャーが入ればもうバンに余計なものを積む空間はない。
彼らの仕事は実に多岐に渡る。毎日昼夜を問わず長距離をバンで運転し、機材の搬出入を行い、ビザの取得を行い、隙あれば値切ろうとしてくるオーガナイザーとギャラの交渉を行い、PAスタッフがいない会場においてはフェーダーをいじる傍ら物販をくすねようとする不届き者に目を光らせ、機材を運ばないメンバーを時に叱り、演奏の出来にナーバスになりがちなメンバーを時に励まし、ダブルベッドを共有し……つまり演奏以外の全てを1ヶ月近くに渡ってメンバーと文字通り寝食を共にしながら行う。
多くの場合マネージャーはブッキングエージェントに所属しているが、そのグループのファンが志願して行う場合もある。そしてツアーミュージシャンの文化は地元の活気ある会場やバーの文化と密接に結びついている。そのグループが継続してツアーに行き、良い演奏をすることでその土地には固定のファンがつき、何か話題になるリリースやより人気のアーティストからのフックアップがあれば集客力が上がり、その会場でのギグがソールドするようになればより大きな会場をオーガナイザーがブッキングし、グループとマネージャーへのギャラも上がっていく。
そしてグループが有名になるに従って新しい大手のツアーエージェントが名乗りを上げたり、PA関係のスタッフやローディー(機材を運ぶ力持ち担当)が雇われたりするものだが、ツアーが大きな規模になってもマネージャーに関しては継続して雇われることが多い。それはアーティストとマネージャーとの相性、信頼関係がツアーの出来不出来を左右すると言っても過言ではないからで、メンバーとマネージャーが喧嘩しツアー途中にもかかわらずマネージャーが出奔するといった話もあるくらいだ。
というわけで、私がパンデミック前に同行したSundays and CybeleとDe Loriansのツアーでマネージャーを務めてくれたイタリア出身のEdoardo Fracassi(エドゥアルド・フラカッシ)氏へのメールインタビューを通じて、ツアーマネージャーの世界を垣間見てみよう。
Q. まず、出身地と年齢を教えてください。いつからツアーマネージャーの仕事をしていますか?
A: 私の名前はエドゥアルド・フラカッシ、40歳。フィレンツェの南100kmの小さな村で生まれた。18歳でフィレンツェに移り住み、2020年までそこで暮らし、現在はミラノを拠点に活動している。
長年、ミュージシャンやプロデューサーとしていくつかのプロジェクトに関わった後、2012年から本腰を入れて音楽業界で働くことに決めた。私は元々サウンドエンジニアだけど、すぐにツアーマネージャー、バックライナー(ステージのアンプやPAなどを担当する専門家)、ローディーなど、音楽に関連するほとんどすべての仕事をするようになった。
Q. どのようなジャンルのグループとよくツアーに行っていますか?また、あなたの音楽的なフェバリットを教えてください。
A: あらゆるジャンルのバンドやミュージシャンと仕事をしている。以前レコードレーベル(Fresh Yo! Label)に所属していたので、イタリアのエレクトロニック/ビートメイキングシーンのアーティストたちと接する機会が多かった。
一方で、インディーロックバンドBaustelle(Warner/Atlantic)のジュニアサウンドエンジニアも務めていた。彼らと一緒に仕事をするということは、大きなプロダクションの中に身を置くということであり、メインストリームのプロジェクトをどう対処していくか学ぶことでもあった。Baustelleのツアーでは、30人いるクルーの一員だったから。
そしてこの4年間は、Annibale Booking(注:Go!ZillaというバンドをやっているLuca Landiによって創設、パンデミックの影響で解散したZuma Bookingの後継組織)と仕事をするようになり、ガレージ、パンク、サイケのアンダーグラウンドの奥深くに身を投じることになった。これも素晴らしい経験だった。
この数年間、私はあらゆる種類の音楽と恋に落ちた。パンクロック、テクノ、ノーザンソウル、ヒップホップ、クラウト、サイケ……今はクラウトとサイケデリアに夢中で、実験的なオーディオ・ビデオ・プロジェクトやアンビエント・ミュージックに取り組んだりしている。
Q. 最後にツアーに同行したのはいつですか、そのツアーはどのようなスケジュールでしたか?
A: 最後にツアマネとしてツアーをしたのは、2019年11月、日本のバンド「De Lorians」とだった。その後、パンデミックが蔓延して、夏のツアーは辞めざるを得なかった。音楽業界全体が大変な時期で、多くの同僚が新しい仕事や機会を求めて進路を変えなければいけなかった。悲しかったね。
でも、去年の夏には、イタリアのソングライター、フランチェスコ・ビアンコニ(Francesco Bianconi, Baustelleのヴォーカリスト)のバックライナーとしてツアーに出たし、多分来夏にはいい感じのポップバンドのFOH(注:front of house…観客が聴く出音をPAで担当する役割、ショウが大きな規模になるとステージの中音を担当するPAとは別で雇われる。)ができると思う。とにかく祈ってるよ!
ツアーは毎回違う。色々なことに左右される。アンダーグラウンドのバンドと一緒にツアーをしているときは、すべてが “ロックンロール “だ。数日で何百キロも移動する大規模なツアー。ツアマネはクルー全員。バックラインや荷物も含めて、全員がたった1台のバンの中にいる。32日間で28回のライブ、1回のツアーで15000km。とても大変なことだが、素晴らしい。純粋に自由なんだ。私が10代の頃に想像していたロックンロールそのものだ。
大きなプロジェクトやメインストリームのバンドは全く違う。より多くの人が一緒に働いている。誰もが自分の役割を持ち、自分の仕事をこなさなければならない。宿泊施設も快適だし、ギャラも高い。イタリアはそれほど大きくないので、たとえ有名で通常は国境を越えてツアーするようなバンドについていくと、毎日ライブの計画を立てなくても、かなりリラックスしたロードトリップのスケジュールを立てることができる。
Q. ツアー中に感じる楽しいこと、また過酷に感じることはなんでしょうか?
A: あちこちを旅して、人に会うのが好き。海外のバンドと一緒にツアーに出るのも好きだ。異文化の人たちと一緒に旅をすることで、たくさんの良いことを学ぶ。楽なことばかりではないけれど、人間として成長させてくれた。
嫌いなものといえば、寒いところで寝ること。以前、ベルギーのバーでDIYな状況で仕事をした。それは非公式なギグで、不要な休日を避けるために役立った。ショーの後、オーナーは自分たちをベッドも毛布もヒーターもない田舎の家に連れて行った。その晩は眠れず、翌日は歩く屍のような状態だったが、それでも車を運転して仕事を終わらせなければならなかった……寝不足は本当に無理だ!(注:これは筆者が同行した冬季ツアー中の出来事だと思われる。)
Q.初めてツアーを経験するアーティストに対してどのように接していますか?
A: ツアーが始まる前バンドと契約を結ぶときに、たいてい提案書と一緒に、私がバンドに対して何ができるかを詳しく説明した文書を送る。この文書には、彼らがヨーロッパでの時間を最大限に楽しむための「ヒントとコツ」や「アドバイス」がたくさん書かれている。とにかく、ツアー中、私はできる限り彼らをサポートし、手助けしようと努めているけど、私はツアマネであって彼らのベビーシッターではないので、彼らもかなり適応力が必要だと思う。「年上の友達」に慣れるとか……笑
Q. 色々なアーティストを間近で見ていると思いますが、グループが解散せずに活動し続けるためにはどのような要素や努力が必要だと思いますか?
A: 小さなバンドで道を歩み始めたばかりの時は、まず自分がやっていることを楽しむこと。成功やビジネスについて考えることは避ける。
友情・情熱にあふれたバンドであればあるほど、ツアーは楽しく、ステージでは良い波動が広がっていく。
それはケミストリーの問題だし、いいムードの時は全てがうまくいく。それはマジックだ。そういうことを本当に信じている、別に狂ってないぞ!
Q. この2年間はずっとそうですが、ツアーがない時期はどのような仕事をしていますか?
A: 私はサウンド・エンジニアだから、ライブとスタジオ・セッションに仕事の時間を分けている。今現在は、SAE Institute Milanでオーディオ・スーパーバイザーとしてのパートタイムもしている。この仕事は生活を救ってくれた。
Q. ツアーマネージャーという仕事は日本に存在していないので、日本のアーティストは海外のマネージャー探しに苦労しています。マネージャー同士のコミュニティはあるのでしょうか?
A: 多かれ少なかれ、多くのツアマネとコンタクトを取ることは可能だ。まぁ、ブッキング・エージェンシーがツアマネを提供してくれたり、お気に入りのツアマネを紹介してくれたりするのが普通。とにかく、他のバンドに聞いてみるのもフィードバックを得るのに有効な方法かもしれない。
ツアーは、単に仕事が取れればいいというものではない。何週間も、時には何ヶ月も、24時間365日、同じ人たちと一緒にいなければならない。だからこそ多少の文化の違いがあっても尊敬の念を持ち、バンドが何を必要としているかを理解できる適切な人に出会うことが重要だ。
Q. あなたが同行したツアー中に起こった印象的、面白い出来事があったら教えてください。
A: ツアー中の生活については楽しい思い出がたくさんある。ひとつだけ選ぶのは難しい……本が書けそうなくらいだ。実は、長い間ツアー中に思ったことを書き留めた日記のようなものがある。
とにかく、例えば、あるバンドのベーシスト(彼は日本人)がマジックマッシュルームを持っていたことがあった。
彼がカウチでトリップしているのを見つけたとき、かなり心配だった。というのも彼はそれが初めてだったみたいだから。でもどうやら楽しんでいるみたいなので「調子はどう?」と訊いてみると、彼は基礎的な英語で答えた。
「Good… I think space」
彼が体験したことを完璧に描写する、意味深長な言葉だ。サン・ラでさえそんな答えはしなかった!面白かったよ。
Q. あなたがツアー中よく直面する問題はなんですか?
A: バンド、ロードトリップ、そしてもちろん不運や幸運にもよるが、すべてのツアーに独自の問題が起こる。
たとえば、バンドが熱帯または「サーファーの国」の出身である場合、彼らは冬が何であるかを知らない。ばかげているように思えるけど、オーストラリアやタイで育った場合、冬のフランス北部がどれほど寒くなるかを知る術はない。これは、特に5〜6人が1日10時間バンの中で過ごす場合は問題になる。誰かが病気になれば2日間で他の全員がK.O.だ。賭けてもいい。
だから私はいつも薬を持っている。ニューエイジ、ホメオパシー、ヒッピーの治療法は信用していない。The tour must go onだ。
アンダーグラウンドシーンの小さなバンドと一緒にツアーをしているなら、ショウの機会は逃すことができない。この種のツアーは通常、日々の経費だけでなく渡航費のために予算が少なく、アジアやアメリカからヨーロッパに4、5人を連れてくるのは費用がかかる。だから毎日のギグに全てがかかっているんだ。
Q. 最後に、最近取り組んでいる音楽的プロジェクトがあれば教えてください。
A: この2年間は、パンデミックによって私のライブ活動はほぼ全滅状態だった。
去年の夏にはフランチェスコ・ビアンコニと共にツアーに戻り、2022年5月からは彼や他のプロジェクトと一緒にまたツアーに出る予定だ。だが当面はイタリア国内のツアーに出るだけだろう。ライブの仕事とSAE Instituteやスタジオの仕事との兼ね合いもあるし。
とにかく、一歩一歩、ある種の正常な状態に戻りつつあるようだ……海外ツアーは本当に懐かしい。Zuma Bookingの仕事で出会った国際的なバンドや音楽シーン全体が恋しいよ。
快くメールインタビューを引き受けてくれたエドゥアルドだが、彼の返信を日本語の文体に翻訳していく上では少し違和感があった。彼は知性的でありつつ感情豊かで豪快なイタリアの男そのものであり、このインタビューからは多くのスウェア、スラング、チャーミングなニュアンスが抜け落ちていることをお断りしておく。そして、ハイウェイの運転で彼が発揮する荒々しさもとても文章ではお伝えできない……
*The following is an English translation.
Life of a Tour Manager – Interview with Edoardo Fracassi
Touring musicians are on the move. Every day they travel at least 100 kilometers, some days crossing as many as three borders, and in North America, a day can end with hundreds of kilometers of cactus-covered wilderness. Of course, if the band members have international driver’s licenses, they may drive themselves, but in most cases, the first person the band hires is a “tour manager”. While popular groups tour with dozens of staff members, most fledgling indie bands can only hire one, and once the equipment, merchandising, members, and manager are in the van, there is no room for anything else.
Their work is very diverse. They drive the van long distances day and night, carry the equipment in and out of the venue, obtain visas, negotiate with the organizers who try to haggle with them every chance they get, play with the faders at venues that don’t have a PA staff, keep an eye out for undesirables who try to steal the merchandise, and sometimes scold the members for not carrying the equipment. sometimes he encourages the members who tend to be nervous about the performance, and sometimes he shares a double bed with them…… In other words, he literally eats and sleeps with the members for almost a month while doing everything except playing on stage.
In many cases, the manager is a booking agent, but in other cases, it is a fan of the group who volunteers to do the job. The culture of the touring musician is closely tied to the culture of the vibrant local venues and bars. If the group continues to tour and play well, it will build a loyal following in the area, and if there is a high-profile release or hook-up with a more popular artist, it will attract more people, and if the gigs at that venue sell out, the organizers will book a larger venue. As the group becomes more famous, new gigs are added. new major touring agents come on board, PA staff and roadies are hired, and managers are often retained even as the tour grows in size. This is because it is no exaggeration to say that the compatibility and trust between the artist and the manager determines the success or failure of the tour, and there are even stories of managers leaving the band in the middle of a tour due to quarrels between members and managers.
So let’s take a glimpse into the world of a tour manager through an e-mail interview with Mr. Edoardo Fracassi from Italy, who was the manager of the Sundays And Cybele and De Lorians tours that I accompanied before the pandemic. Let’s take a glimpse into the world of a tour manager.
Q. First of all, where are you from and how old are you? How many years have you been working as a tour manager?
A: My name is Edoardo Fracassi and I’m 40 years old. I was born in a small village, 100km south of Florence. I moved to Florence at 18 years old and I have lived there until 2020. Now I’m based in Milan.
After many years involved in several projects as musician and producer, I’ve started to properly work in the music industry in 2012. I’m a sound engineer, who soon started doing almost everything related to music: tour manager, backliner, roadie…..
Q. What genres of groups do you often tour with? Also, what is your musical fave?
A: I am used to working with every genre of band or musician. Since I was part of a record label (Fresh Yo! Label), I had the chance to be in touch with a lot of artists from the italian electronic/beat-making scene.
Meanwhile, I was also the junior sound engineer of the indie rock band Baustelle (Warner/Atlantic). Working with them meant being inside a big production and I’ve learned how to deal with a mainstream project. Touring with Baustelle meant being a part of a 30 person crew.
In the last 4 year I’ve started working with Annibale Booking, former Zuma Booking, deep inside the garage, punk and psych underground. It was an amazing experience.
Throughout the years, I’ve fallen in love with any kind of music. Punk rock, techno, northern soul, hip hop, kraut, psych….. Right now I’m pretty into kraut and psychedelia and I’m working a lot with experimental audio-video projects and ambient music.
Q. When was the last time you accompanied a touring band? Also. What was the tour schedule like?
A: Last time I toured as a TM was back in November 2019, with the Japanese band De Lorians. Then the pandemic spread and I had to quit touring for the past summers. It was a hard time for the whole music industry. Lots of my colleagues had to change their path looking for new jobs and opportunities. It was very sad.
Anyway, last summer I was on the road again as the backliner of Francesco Bianconi, an Italian songwriter, and maybe next summer I’ll be the FOH of a very nice pop band. Fingers crossed!
Every tour is different. It depends on a lot of things. When you are on the road with underground bands, everything is pretty “rock and roll”. Massive tour with hundreds of km in a few days. The TM is the whole crew. Everybody is inside just one van together with the backline and luggages. 28 gigs in 32 days, 15000 km per tour. Very proving, but amazing. It is pure freedom. It is the rock and roll that I imagined when I was a teenager.
With bigger projects or mainstream bands it is completely different. There are more people working with you. Everyone has his own role and you have to get your own tasks done. Accommodation is more comfortable, and my fees are higher. Italy is not so big and when you are following bands that usually tour just inside the country’s borders, even if they are famous, you can schedule a quite relaxed road-trip without planning gigs everyday.
Q. What do you find enjoyable and what do you find demanding about touring?
A: I like to travel around and meet people. I like to be on the road with bands from abroad. I learned a lot of good stuff traveling with people from different cultures. It is not always easy, but it made me grow as a human being in the first place.
What I dislike….. I don’t like to sleep in cold places. Once, in Belgium we were working in this bar in a very DIY situation. It was an unofficial gig just useful to avoid an unwanted day off. After the show the owner took us to this country house, with no beds, no blankets, no heaters.. I couldn’t sleep that night and the day after I was sort of a walking dead, but still I had to drive and get the job done… I hate when I don’t get enough sleep!!!!
Q. How do you treat an artist who is touring for the first time?
A: Before the tour starts, when I make the agreement with a band, I usually send them a proposal along with a document that explains in detail what I am able to do for them. In this document there are a lot of “tips and tricks” and also advice to help them enjoy their time in Europe to the fullest. Anyway, during the tour, I try to support and help them the best I can, but they also need to be pretty “adaptive”, because I am a TM and not their babysitter :)… Maybe an older friend.
Q. You’ve seen a lot of different artists up close, but what elements or efforts do you think are necessary for a group to continue working without breaking up?
A: When you are in a small band, at the beginning of your path, first of all you need to enjoy what you are doing, avoiding thinking about success or business.
The more your band is friendship/passion related, the more the tour will be joyful and the more the band will spread good vibes on the stage.
It is a matter of chemistry. Nothing goes wrong when you are in a good mood. It is magic. I really believe in this, I’m not crazy! 🙂
Q. This has been the case for the past two years, but what do you do when you are not on tour?
A: I’m a sound engineer, that’s why I split my work time between live shows and studio sessions. As of now, I also have a part-time job at SAE Institute Milan, as audio supervisor. This job was a life saving opportunity for me.
Q. The job of tour manager doesn’t exist in Japan, so Japanese artists have a hard time finding managers overseas. Is there a community among managers?
A: It is possible to be in touch with a lot of TM, more or less. Booking agencies usually provide TM or suggest their favorite ones. Anyway, asking other bands it could also be a useful way to get feedbacks. Touring is not just a matter of being able to get a job. You have to be with the same people 24/7 for weeks, sometimes months. That’s why it is important to meet the right person, who’s respectful and able to understand what the band needs, even when there are some cultural differences.
Q. Please tell us about any memorable or interesting events that happened during the tour you accompanied.
A: I have a lot of fun memories about my life on the road. It’s hard to choose only one… I could write a book about it. Actually, I have a sort of diary where I used to jot down my thoughts when on the road for a long time.
Anyway, for instance, once the bass player of a band (he is Japanese) had some magic mushrooms.
When I found him tripping on a couch I was pretty scared because it was the first time for him.
Turned out he was actually enjoying it and when I asked him how he was doing, he replied to me in very basic English: “Good… I think space”. A few meaningful words that perfectly depict the experience he was having. Even Sun Ra himself couldn’t give me that answer! It was fun.
Q. Also, what are some of the most common problems you encounter?
A: Every tour has its own problems, depending on the band, the road trip and…. the bad or good luck of course.
For example, when the band is from one a tropical or “surfers country”, they don’t know what winter is. It seems ridiculous but when you grow up in Australia or in Thailand, there is no way for them to know how cold it could get in northern France during winter.
This can be a problem, especially when 5 to 6 people spend 10 hrs per day inside a van; if someone gets sick, you can bet your life that in two days everyone else is K.O. That’s why I usually carry medications with me. I don’t trust new age, homeopathic or hippie remedies: the tour must go on.
If you are touring with a small band from the underground scene they cannot afford to miss their shows. This kind of tour usually has small budgets and not just because of fees, but also for the travel cost: bringing 4/5 people from Asia or US in Europe is expensive. That’s why everything depends on every single gig.
Q. Finally, what musical projects have you been working on lately, if any?
In the last two years my live activity has been pretty much wiped off by the pandemic.
I was back on the road last summer with Francesco Bianconi (Baustelle) and I’m gonna be on the road again with him and with another project starting May 2022.
For the moment, I will just do tours within Italy, because my live job activity has to match with the one in SAE Institute and the studio one.
Anyway, step by step it seems we are coming back to some sort of normality…. I really miss touring abroad. I really miss international band and the whole music scene I’ve met during my job with Zuma Booking.
Edoardo graciously agreed to do an email interview with me, but I felt a little uncomfortable in translating his reply into Japanese style. He is an intelligent, yet emotional and dynamic Italian man himself, and I must say that a lot of swear, slang and charming nuances are missing from this interview. And I can’t even begin to convey in writing the roughness he displays when driving on the highway……