Interview: Judy and the Jerks ”Japan Tour2023”
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2015年頃からBig Bleach, Bagheadなどを中心に飛躍的な盛り上がりを見せているミシシッピ州ハッティーズバーグのパンクシーン。 そのBig Bleach, BagheadのメンバーHamptonとSarahがJulieとAustinに出会い、新たに結成したバンドこそがJudy and The Jerksである。 Hamptonが運営するEarth Girl Tapesからカセットを次々とリリースすると、たちまち世界中で話題となり、現在ではUSパンクシーンを代表するバンドの一つと言っても過言ではない活躍を見せている。 2022年にはユーロツアーを成功させ、日本ツアーもと計画していたがコロナ禍によりあえなく断念。そして2023年。サポートバンドに日本のM.A.Z.E.を迎えて、昨年の無念を晴らすべく待望の来日ツアーが実現。お見逃しなく!
Interview & Text – M.A.Z.E. ,in the middle
Translate – Soya Maruyama / SEGWEI
Judy and The Jerks Japan Tour 2023
3/5(日)足利ライブハウス大使館(栃木)
3/6(月) 高円寺Sound Studio DOM(東京)
3/8(水) 今池Huck Finn(愛知)
3/9(木) 出町柳Socrates(京都)
3/11(土) 天王町スタジオオリーブ(神奈川)
3/12(日) 小岩Bushbash(東京)
※3/6(月)は先着50名限定です。(前売り無し)
問い合わせ:Dial Club(Twitter)
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Hampton – Bass,Sarah – Drums
結成から今に至るバイオグラフィーを簡単に教えてください。
Austin:Julieと僕はSarahとHamptonがやっていたハウス・ショウ(一般の住宅をスペースにしてライブを行うショウ)に2014年の終わりぐらいから行くようになったんだよね。で、だんだん知り合いになって、バンドやらない?って聞いたのが2016年の秋頃かな。Judy and the Jerksを始めたら皆すぐに超仲良しになって、今もずっといい感じだね。Julieと僕は2020年にアトランタに引っ越したし、皆それぞれ仕事もあるけど、できるだけツアーをしてるし、できる限り楽しいパンクの曲を作ろうとしてるね。シリアスに考えずシンプルに楽しくやろうと思ってるだけだよ。
Hampton:このバンドを始める前はAustinとJulieのことはほとんど知らなかったんだけど、今じゃ親友だし一緒に世界を旅してるよ。まさにパンクだね!Julieはもともとフロントマンとしてバンドはやったことがなかったし、Austinもこんな感じでギターを弾いたことはなかったし、Sarahはこのバンドのためにドラムを始めたんだよ。みんながそれぞれの安全圏(comfort zone)から飛び出してチャレンジしてるっていうことが、僕ら自身の音楽に影響を与えているのかもね。
あなたたちのバンドサウンドはどのような音楽に影響を受けていると思いますか?個人的には80s西海岸のパンク/ ハードコアの影響を強く感じますが。また、メンバーが個人的に特に好きな音楽やアーティストを教えてください。
Austin:80年代のLAハードコアの影響はあるよね。それと、Warm Bodies, Lumpy and the Dumpers, Uranium Clubみたいな、2010年台中頃の中西部のパンクバンドからもインスパイアを受けてるよ。もちろんハードコアのエッジがしっかりある音楽を作りたいと思ってるけど、同時にちょっとおかしな感じでもイイよねと思ってるよ。
好きなバンドに関しては、僕の趣味はよく変わるからなんとも言えないなぁ。パンクならJerry’s KidsとかGang Greenみたいなボストンハードコアをずっと聴いてるし、時々90年代のhouse music/technoを聴いて意識を飛ばすのもイイよね(笑)
Julie:けっこう趣味がごちゃごちゃしてるので、好きな音楽を挙げるのは難しいなあ。ほんとうにいろんなものをちょっとずつ齧ってるんだけど….まあ、強いて私の好きな曲を言うならばTalking Headsの”This Must Be the Place”かな。
Talking Heads – This Must Be the Place(Official Video)
Hampton:ハードコアパンクが好きだね。速くてイカれたやつ。最近の好きなバンドについては難しいな。歳をとるにつれてこだわりが強くなったと思うよ。速くて、狂ったポーズやテンポチェンジがあるけど仰々しくないものがいつも好きだね。old school hip-hopも好きだよ。最近はCrassを聴いていないときはLeaders of the New Schoolを聴いているよ。
Leaders Of The New School – Sobb Story (Official Video)
Sarah:90’s and 00’s radio pop と 70’s disco/funk が好きだよ。キャッチーなビート、愛とかダンスについての歌詞に惹かれるね。いつもは私が真っ先にWeird Al Yankovicのポルカみたいなのをかけて、誰が本当のフリークスなのか確かめることにしてるよ(笑)
“Weird Al” Yankovic – Polka Face
Music To Go Nuts LPの曲の歌詞はストレートなものもあれば、詩的、比喩的なものもがありますがインスピレーションはどこから受けているのでしょうか?
Julie:音楽の趣味と同じように歌詞もいろんなところから影響を受けているね。ファンタジーの本、詩、それに変わった出来事とか。「“FREE BIG BUFORD” って書かれた看板を見た」みたいなね。
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あとミュージカルのCatsにGreat Rumpus Catっていうキャラクターがいるんだけど、おっかないやつでピョンピョン飛び跳ねるんだよね。“Rumpus” はお尻を意味するスラング “Rump” に似てるから、新しいスプリットテープの”Rumpus”って曲は “Shaking my rumpus in front of you all” という歌詞で始まるんだ。この曲は人目を気にしないでみんなの前で踊って楽しむことについての曲。自分が書く歌詞は大体バンドのアティテュードと密接に関わっていて、ライブで自分が演奏を楽しめるようなものを意識しているよ。
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引用:Wikipedia
Hampton:Julieの書く歌詞のおかげで曲を好きになることがあるんだ。LPの1曲目”Candytroll” なんかはアルバムのために曲作りをしてた時点では一番気に入ってない曲だったんだけど、Julieの歌詞を聴いたらすぐお気に入りになって今では1曲目に相応しかったと思ってるよ。
音楽以外で、興味のあることやハマっていることはありますか?
Austin:スケボーだね。8歳の頃からスケボーをやってて、スケボーやスケボーのコミュニティに関わることはDIYのパンクシーンにいろんな面で似てるんだ。だから音楽をやることにも惹かれるのかもね。お互いを助け合うし、何にもないところからシーンを作ったりサポートする。クリエイティブな手段だよね。
Julie:たくさんのおかしなアートを作ってて、最近は粘土にはまってるよ。それとバレエを始めて、下手なんだけどすごく楽しんでるよ。
Hampton:古い機材をいじくるのが好きだね。古いテレビ、カムコーダー(ビデオカメラ)、古いメディアを使った変わったヴィジュアルアートとか。”Earth Girl Tapes” っていう小さなカセットテープレーベルをやっているよ。バンドの録音、ミックスをしてカセットテープを出す、そういった全体のプロセスが好きなんだ。Hattiesburgのパンクについて知りたかったら、the Earth Girlのbandcampをチェックしてみて。
あと最近はゲームのアーケード機にハマッていて、自分で直したり自分で作ったりしてるよ。それらの歴史についても興味深いね。日本に来るのはとても楽しみにしていて、アメリカにはないwhite candy cabs arcade machines(セガやタイトーが出していた白い筐体のアーケード機)を見れたらいいなぁと思ってるよ。
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引用:The Arcade Blogger
Sarah:ガーデニングが好きだよ。ミシシッピのネイティブや外来種の植物についてもっと知りたいと思ってるよ。あと、今年から水彩画の教室に通ってて、もっと絵もやりたいなと思ってるよ。
あなたたちの地元のHattiesburgのパンク/ハードコアのシーンはとても熱気があるように思います。何か理由があるのでしょうか?
Hampton:いくつかの要因があるね。有名になることは考えず、何かイケてることをやろうとする人がいるとする…音楽をやること以外に何もやることがない街がある…いわゆるスノーボール効果ってやつだと思うよ。あるバンドが頑張って、ほかのバンドが刺激を受けてまた頑張って、みたいなサイクルが続くんだ。バンドをやってる人は少ないんだけど、僕らは全てうまくいっているんだよね。たくさんのバンドもツアーで来るような地域になったんだ。いいよね!
地元でおすすめのミュージシャンやバンドを教えて。
Austin:Julieと僕はアトランタに2020年から住んでいるから、何個か僕の好きなアトランタのバンドを教えるね。Nag, Blammo, Warm Red, と Riboflavin だね。チェックしてみて!Nagは2024年に日本に行くかもって噂を聞いたよ。
Julie:HattiesburgのSnorkelだね!
Hampton:手前味噌になるけど、Bad AnxietyとDumb Ideaだね。僕がメンバーなんだ。Primitive Fucking BallersはAtlanta and Hattiesburgと関係がある最近のイケてるグループだよ。たぶんこのインタビューが読まれているころには、もっとかっこいいバンドが生まれてるかもね!New OrleansのDraculaも好きだよ。
日本のパンクやハードコアでフェイバリットのバンドはいますか?(パンク、ハードコア以外でも)
Austin:M.A.Z.E. と Milkが最近の日本のバンドでは好きだよ。M.A.Z.E.はHattiesburgでプレイした唯一の日本のバンドなんじゃないかな。Hattiesburgに海外のバンドが来ることは超珍しいから、みんな記憶に残ってるよ。
あとパンクとは別の話だけど、YouTubeのオススメで高中正義っていう70年代のジャズ・フュージョンの人が出てきて、最近はそれに夢中なんだ。まさにイージーリスニングって感じで、彼のギターはヤバいね!
Julie:高中正義はヤバいね。超聴いてる。特に一人で車を運転する時に聴いてるんだけどハッピーになるね。
TAKANAKA SUPER LIVE 2020 Rainbow Finger Dancin’@LINE CUBE SHIBUYA
Hampton:Thrilling Living recordsから出たEPとLPのアートワークは、実はYouth Attackから出てたTOTAL FURYのCommitted To The Core 7” のオマージュなんだ。その音源と13 Songsのレコードは僕のお気に入りの一つだよ。JELLYROLL ROCKHEADSも好きだし、最近はJELLYROLL ROCKHEADSのカヴァーでINUっていう80年代のグループを見つけたよ。THE SS, CHARM, BREAKfASTも好きだよ。最近のバンドについては詳しくないから、このツアーでたくさん知れたらいいなあと思っているよ。
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Sarah:深町純の On the Moveをこの頃はよく聴いているよ。彼のことは最近知ったんだけど、その音楽の業績の数々に圧倒されたよ。
深町純 / Jun Fukamachi ” On The Move ” 1978
来日ツアーは毎日のようにライブがあって大変だと思いますが、興味がある日本の文化、行ってみたいところなどはありますか?
Austin:色んなところを観て回るつもりの日が何日かあるから、それを楽しみにしているよ。日本の都市生活…電車に乗ったり、買い物をしたりご飯を食べたり。それと都会から離れた静かな田舎の雰囲気の両方を経験できたらいいなと思ってるよ。日本文化はアメリカより自然に対する敬意と受容を大切にするよね。だからもし時間があったら、都市の間の静かな自然を楽しみたいなと思っているよ。
Julie:日本に行くだけでも興奮してるよ!夢が叶った感じだね。どこに行くのも楽しみだね!たくさんセブンイレブンがあるって聞いたことがあるよ。日本の卵と果物は超おいしいんだよね。オースティンが言うように自然も楽しみたいし、ジブリパークにも行きたいよねえって話してるよ。行けるかわかんないけどね。
Hampton:僕は小さい頃からゴジラと怪獣映画が大好きなんだ。映画で見たことがある場所に行けるだけでも、超現実的な体験って感じでヤバイね。生で東京タワーを見れるのもイイね。横浜の観覧車も見たいんだ、僕が生まれた年にゴジラとモスラが戦ったとこなんだよね!
Sarah:今回は合間にオフの日を設けた唯一のツアーだから、それも楽しみだね。できる限り時間を取りたいよね。皆が行くとこについて行って、前情報なしで旅をするのも好きなんだ!
Judy and The Jerks Japan Tour 2023
3/5(日)足利ライブハウス大使館(栃木)
3/6(月) 高円寺Sound Studio DOM(東京)
3/8(水) 今池Huck Finn(愛知)
3/9(木) 出町柳Socrates(京都)
3/11(土) 天王町スタジオオリーブ(神奈川)
3/12(日) 小岩Bushbash(東京)
問い合わせ:Dial Club(Twitter)
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